2013年10月29日火曜日

歌にとってハーモニーは敵かもしれない


ハーモニーは旋律を弱くする。
ハモるって楽しいんだけど、お化粧みたいなもんだと思ってる。メロディに不用意に和音つけすぎちゃうとメロディライン自体が見えにくくなるし、弱くなっちゃう。僕はユニゾンの力強さが大好き。但しアカペラ曲の中でユニゾンやるとそこだけが強力になり過ぎて始末に負えなくなる、とも言えるんですが。

2声ハーモニーの良さ
自分が中学生くらいまでは、2声ハーモニーってのは3度の関係で和音やるのがいいと思ってた。でもハモり側のパートは動きの流れから、時々4度、5度にならざるを得なくなる。これが気持ち悪かった。この対処として和音数を増やせばいいのだ、と考える。すると違和感は減ったけど今度は音が厚くなってしまい、メロディの存在が消えていく。ジャズをやり始めた高校大学時代は厚い和音とかポリコードとか和音のカッコ良さにかぶれてた。当時はアレンジする事は少なくて、ひたすら和音がカッコいい曲を採譜してたような記憶。
しかし、ロシア民謡とか聞きだした同じく大学時代。2声のハーモニーの良さに改めて気づく。(なんだ、4度、5度になって収まりが悪くなるところはあっさりユニゾンにしちゃえばいいのか。と単純な事に気づいた。)

2声+裏方和音
Always(歌;Atlantic Star)ってベタベタのラブソングがあるんだけど、最初は男女それぞれ歌い、サビのAnd We Both Know〜のところから男女二人でハモってくる。よく聞くと実際にはもう一声聞こえてて、音を埋めるだけの存在感ギリギリの感じが美しくもいじらしい。「陰で泣かしたオンナでもいるんじゃないか」笑。(演出上はそこに歌ってるのは2人じゃないとサマにならないけど、3和音めがないとMajor7の甘い感じにならない) そう、2声+裏方和音追加、って方法もあるんだよね。ナマ声演奏だと声量コントロールが難しいけどね。

ユニゾン
ユニゾンの力強さを改めて思ったのはサンバ、特にパレードで歌うユニゾンの使い方。僕も浅草には10年ほどbateria(打楽器隊)で出場してました。バルバロス万歳。そのパレード(いわゆる女性が宝塚みたいな羽根つけて薄着で踊るアレです。)で歌われるエンヘード(曲)のCDを聞くとわかる。(リオのカーニバル出場チームの演奏曲CDが毎年発売されてます)。これを何人で歌おうと、ハモりを入れる事はせず、男も女も見事にユニってる。コレが凄い。日本の歌でいうとBOOM:宮沢和史氏の「風になりたい」での歌い方が近いか。(これがサンバパレードをイメージして作られたのは間違いないのだが)

昨今の、AKB48あたりの集団ソングって、ドヤドヤと騒がしいユニゾンしか歌ってないように見えるけど、やっぱりうっすらハモってるんだよね。あのサジ加減も憎い。集団性の表現はやはりユニゾン、しかし音楽的な補正作業もやっている。本番で誰がハモってるのか実際やってるのか知らないけどね。

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