2013年10月22日火曜日

アカペラグループの「ステージの立ち位置」考



【横並びで立って歌うって、何かヘンなんだ】
アカペラを歌っているステージを眺めると解るけど、結構多くのアマチュアグループは横並び一列で歌っている。こんな感じ。5つ目玉じゃなくてアタマを上から見てる図ね。一応確認。








 

 でも僕にとってはこれ違和感あるんだよね。特に、左右のアタマ間隔が「離れすぎている(1.5m間隔以上)」場合特にそう思う。両肩が隣とぶつかる位の間隔なら、さほど違和感ないんだけどね。
 このスタイルを「プロのグループがステージでそうやっている」からではないかと思う。
歌っている際の「サービス精神・デリバリーマインド」を明らかに携えて、それをお客に理解できる状況ならこの並びもアリなんだろうけど、プロのオーラ(歌唱力と伝達力からくるものと思われる)を備えぬまま、単に前向いて歌っているように見えてしまうんだよね。

しかしだ、この「違和感」は、歌い手のマインドの違いによるものだけではない、と思っている。
MATRIXのホームページにも書いた事なんだけど、その違和感とは、「今、誰がソロを取ってるんだか客から見て解りにくい」せいではないか。 歌い手側の言い分として「コーラス部分とソロ部分が1曲の中で渾然一体となって歌うからどうしてもそうなる。」という話は勿論解る。しかし客は「このソロは誰の声か、誰が歌ってるのか」を知りたいけど、この並び方だと判りにくくてストレスになっているのではないか、と思う訳だね。


【誰が歌っているのか解りにくいから客は戸惑う】
人ってのは、音がでている方向を向く(知覚する、反応する)もんなんです。
例えば、ラーメン屋のテレビのスピーカーがテレビ本体と離れて置いてあって、テレビの声が聞こえる方向を見たらそこにはスピーカーしかなくて「キョロキョロした」って経験あるでしょ。それそれ。「音が出る場所には何かある」、と自然に頭が働いて反応してる。

このラーメン屋の例えが的を得ているかはちと怪しいが、人は「そこにナマ歌があれば、メロディを誰が歌ってるか確認したくなる」んだ。それが、こういったアカペラの場合、音の出ている方向を見ても、「本物は誰でしょう」クイズの如く、5、6人ズラッと並んでるこの違和感。「私たちハモってます」とか「私がリードですよん」とか、歌うなら解りやすいパフォーマンスしてくれないかネ、って思う訳です。

経験的に言っても、楽器の音よりも人の声、解らない外国語よりも脳が反応する日本語、コーラスよりも旋律(ハモると音は厚くなるがその分メロディのパワーが薄れる)、男よりも女(これは視覚的に華かどうかという要因も大きいんだろうけど)、を識別して聞こうとする。音響心理でこのあたりの用語もあった筈だが忘れました。更に言うと、「同じ音なら音が大きい方向、音量同じなら一瞬でも先に音がでた方向を向く(定位を知覚する)」なんて法則(ナンとかの原理)もあります。 


【見て解りやすい並び方】
並びには、「客側からの視認性」と「歌う上での方法論」の2種類あると思うが、ここでは前者についてまとめると、
・凝集性(まとまり)を感じる並び方(歌い方) 



マイク有る無し関係なく、上図の感じでまとまるのが良いと思うんだ。「まとまってる感」って、見る方からしても大事だと思うんだよね。それにこれならお互いの顔も見えて歌いやすい。
その他としては、
・ノリを感じる並び方(歌い方)
・やってる側が楽しそうな並び方(歌い方)
・誰がどんなパート歌ってるかが一目で解る並び方(歌い方)
 (これはMATRIXの基本フォーメーション。ムードコーラススタイル。)
 3人並んでるのがコーラス隊、客席寄りがボーカル、その後ろ(右)がベース。
そう、MATRIXはムードコーラスの並び方なんです。ムードコーラスのボーカル+リーダー(?)+コーラスの、リーダーの所がベースに変わっただけですね。
え。たまには振付入れろ?もっと動け?MATRIXは基本不器用なもんでできないんですよ~。

脳は歌を聞こうとするが故に、「歌は聞いてて疲れる」という話はまた今度。

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