2013年12月29日日曜日

The Persuasions!












 


「彼ら」に会えました。(丸の内コットンクラブ)

僕(和田)自身、達郎氏のアカペラアルバム「オンスト」のライナーノーツで存在を知り、
輸入盤を探しまくって見つけたLPを聞いてまず痺れ、また数年後NYでライブを聞く機会
を得て、これが又痺れ、そんな彼らの歌に魅せられ、そんな気持ちがあって僕としては
今のmatrixを作ったつもりでした。本物見るのは25年ぶり。(多少メンバー変わりましたが)

僕らの現在のレパートリーで彼らのコピーは5曲程あるもののどれも本家のスケールの
大きさには「逆立ちしたって敵わない」んです。
あの「ヘビー級のパンチがまっすぐ飛んでくる」感じの歌。
勿論、追い続ける事が正しいとも思っている訳ではないので、それ以外にも色々と歌って
いくうちに「歌う基本路線はやっぱ日本語に据えないと」と考えて、今の歌謡路線になって
いった訳なんですけどね。

それでも僕らの歌うエネルギーとなる出自・系譜はやはり彼らにあると思っていて、
例えば曲アレンジをする際、「自分のアレンジによって、歌が薄まってしまわないか」に
とても気を付けているつもりですが、その手本はやはり彼らにある訳です。

昨日こうして幸いな事に彼らに会う事ができたのですが、
実際に会ってみると、そこにいるのは僕が思い描いた当時の彼らでなく、メンバー死去等で
何人かの入れ替わりも経ながら、オリジナルメンバーは70を越えて尚、進化しているバンド
でした。このバンド最大の特徴であり売りであったリードボーカル(兼アレンジャー)
が変わった事で、どうなるかと思ったら、ステージも楽しく歌もPOP傾向になっている等、
往年のヒット曲・持ち歌を頼りに生存してる「お達者バンド」とは全く異なるものでした。

で、事前にメール出して楽屋での面会アポを取付け、コットンクラブ初日に1人で行って
事前リサーチと周到に翌日面会の確認したお陰も手伝ってか、2日目matrix揃って楽屋に
行って、1曲歌わせて貰い、少々話もして席に戻って、かぶり付きでライブ鑑賞したのですが、
「それで話は終り」とはならず、ライブの終り間際に彼らが突然僕らを紹介し、マイクが差し
出され、A Place In The Sun をこの場で歌わせて頂いたわけです。

matrix活動17年、昨日は記念すべき日となりました。
I氏による禁断のステージショット

2013年12月22日日曜日

12月8日「俺たち寄せ集め」さんとのjointライブ
























原宿(明治神宮前)の「鳥良」という焼き鳥屋でライブしました。
天井も高く、焼き鳥屋と思えない空間、72名のお客様にお越し頂きました。
(PAは店設備は無いので別途依頼してます)
僕ら、対バンするなら楽器バンドのほうが向いてるかと思ってたんですが、
彼ら「俺たち寄せ集め」さんとは、やってることは違っていてもどっか親和性が
あったというか、相互補完できたというか、それぞれご目当てのお客さんから
しても恐らく違和感はなかったのではないかと、思います。
俺寄せさんは、「変に媚を売らないハードボイルド」男コーラスで、上手いっす。
バードランドは、「しかしわざわざ4人で歌うこの変態さは何だ」と思いました。笑

一方僕らは相変わらずのユルメ路線ですが、彼らのお陰でこっちの気も引き締まり、
良いテンションで通せたかも。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございます。


(MATRIXの曲リスト)
Blue Christmas
A Place In The Sun
Diamonds(pripri)
伊勢佐木町ブルース
ずっと好きだった
A Change In My Life(「俺寄せ」さんと同一曲)

やっぱり肉を喰おう
たそがれの銀座
クエソンわが故郷(ベトナム曲)
The Last Waltz(「俺寄せ」飯塚氏ギター伴奏)
人生の扉
センチメンタルカーニバル

(合同曲)
ずっと好きだった

2013年11月3日日曜日

ON THE STREET CORNER の元ウタ探しの小旅行。


 













さて。日本のアカペラブームの火付け役になったと言って過言ではない、1980年の山下達郎氏の「オンザストリートコーナー」で歌われたその原曲を、ちょっと聴いてみましょう。
元ウタを聞かずに達郎のマネやると、僕が良く言う「岩崎宏美を知らないまま、岩崎宏美のマネをするコロッケのマネ」をするのと変わらないので、歌が生まれた源流や別の流れ(別の人が歌ったバージョン等)は一度辿ってみないといけない、と思ってます。

この一連(3枚)のLPで興味があるのは、最初に出たこのオンザストリートコーナー1(1980年発売当時は「1」と名前は付いてなくて、再発の際にで「1」と付けられた)だけで、次に出た2はまだしも、3になると達郎世界が出来すぎちゃったというか、Soul/DooWop好きとしては全然面白くないのですが、これが出た時は確かに驚きました。 2では名曲So Much In Love(「さらば涙と言おう」みたいな曲)とか、TEN COMMANDMENTS OF LOVEがあります。一方、フィラデルフィアソウルも取り上げるなど、だんだん食傷気味になってきました。で。3はもうゴメンナサイ。




オンザストリートコーナー(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/ON_THE_STREET_CORNER
それにしても、達郎氏の凄いのは、オンスト発売1980年当時、これだけのストックを既に所有してた、という事かもしれないです。本人のライナーノーツも色々ネタが書いてあって、そこから元ネタを色々探し、勉強させて貰い、今のMATRIXの音楽の素、私のアレンジの発端となっているに違いありません。



■YOU BELONG TO ME
the duprees 1962
http://www.youtube.com/watch?v=CIEBErVs0fY
既に、江利ちえみも歌ってました。あ。途中に日本語入ってる。1953
http://www.youtube.com/watch?v=gYo087x_iCk#t=41

■ALONE
Shepherd Sisters 1957
http://www.youtube.com/watch?v=2V9zZFjyJGs
Four Seasons 1964
http://www.youtube.com/watch?v=1Os4Yyp8MeY 

ファルセットバリバリ、フランキーバリですね。こっちが達郎アレンジの元ネタでしょう。いわゆるベースが、リズムを刻まずに、コーラスと同じ動きをしていて、こんな歌い方もDooWopにあるのかと知って、当時に自分には新鮮でした。

■CLOSE YOUR EYES
The Five Keys 1955
http://www.youtube.com/watch?v=3KYK29FQ7ns
Eydie Gorme & Steve Lawrence
吉田美奈子みたいにオンナが絡むのはこっち
http://www.youtube.com/watch?v=Xf1P5hDwFXI

■SPANISH HARLEM
The Drifters(Ben E. King) 1960
http://www.youtube.com/watch?v=k7F2sJjoJP8
いい感じの歌ですね。バックコーラスは「シャララシャララッ」とはやってませんけど。

1989年、面白くて通ってたハーレム教会からの帰り道、親切な聖歌隊のおじさんからは、「スパニッシュハーレム(けっこう近所)は危ないから行かないほうがいい。」と言われました。確かに当時の旅行ガイドにもブラックハーレムより危険、と書かれてたっけか。でもね。当時住んでたアパートから、タクシーでハーレム教会に行こうとした時には、逆に「あんな危ない所、本気で行く気か?」とヒスパニック系の運転手に注意されたっけ。笑

■MOST OF ALL
The Moonglows 1955
http://www.youtube.com/watch?v=ieDxe3XKMLw

■REMEMBER ME BABY

この歌は1981年ごろ、達郎演奏を耳コピーして、会社先輩と一緒に歌った記憶ある。
The Earls 1965
http://www.youtube.com/watch?v=HL_gRZeqhjY
The Chiffons
http://www.youtube.com/watch?v=HL_gRZeqhjY
Billy & the Essentials
http://www.youtube.com/watch?v=ZcVTUnPWP08

■BLUE VELVET
Tony Benette 1951
http://www.youtube.com/watch?v=mwV-RV_ITT0
The Clovers 1955
http://www.youtube.com/watch?v=4hT9RrH4soU


■THE WIND
Nolan Strong and The Diablos(こっちがオリジナル版だと思う) 1954
http://www.youtube.com/watch?v=bIVKaayaNaY
Calveys
http://www.youtube.com/watch?v=c6O6pjcz2K0

■DRIP,DROP
The Drifters 1958
http://www.youtube.com/watch?v=jIquZiOho14

山下達郎の演奏は、ちょっと重ねすぎてて「やり過ぎ」としか僕には
思えないなぁ。

■THAT'S MY DESIRE
歌が作られたのは、1931(古いっ)
Earl Lewis & The Channels 1957
http://www.youtube.com/watch?v=IUzcvE_WAEI
Dion & The Belmonts 1960
http://www.youtube.com/watch?v=yWtV_zgFVtA

これは伴奏付ですが、ベルモンツの演奏はアカペラ盤もあって、それを聞くと、54秒目あたりで、「誰かが咳をしている」のが聞こえます。笑 

2013年10月30日水曜日

アポロ計画

MATRIXのアポロ計画
1996年結成のマトリクスですが、結成すぐに「やるからには目標を立てよう」という事になり、「翌年にNYアポロシアター出場」を目標に掲げたのです。なんとまぁ無謀な。うちのバンドにはコンサル屋さんが居るもんで、こんな話になっちゃったと言えますが、ご推察の通り、結成17年経った今も実現してない。名古屋のアポロシアターでは一度ライブやりましたけど(笑)。歌唱技術ハードルは、そんな行動計画作って何とかなるようなもんじゃなかったのよね。現実的には仕事が忙しくてそんな休みが取れないというのも正しいかも。

そしてNYに行く交通費を準備すべく、出演ギャラを貯めています。但しこの10年近くは収入/オヒネリを貰う形式のイベントをしていないのであんまり増えてませんが、取り敢えず5人分の成田~NYのエコノミー往復航空運賃程度が貯まってます。この僅かな収入に比べると、自分達が飲み食いした支払額のが圧倒的に多い筈だから、そっちを貯めたほうがいいんだろね。

Amateur Nightにしても、ハードル高いなぁ。(僕自身は「目標指向で生きてない」ので、実はどうでも・・・。スイッチが入るきっかけがまだないだけなんだろうけどね。http://www.apollotheater.org/auditions
個人的には、このバンドでヨーロッパを飲み食いしながら、テキトーに「広場で歌う」とかのほうがいいなぁ。

取り敢えずこの目標を達成させるとして考えたのは、映画ブルースブラザースのように、NY近所の居酒屋ライブホールを見つけて、「ここがアポロシアターだよ」とかメンバーに嘘ついてそこでライブやるって事も考えてはみたけどサ。(何しろ、僕以外、アポロシアターの場所を知らない)
「最近、アポロシアターの名前が変わったんだ」とか言えばナントカなるかなぁとか。イマドキ無理か。) 

2013年10月29日火曜日

歌にとってハーモニーは敵かもしれない


ハーモニーは旋律を弱くする。
ハモるって楽しいんだけど、お化粧みたいなもんだと思ってる。メロディに不用意に和音つけすぎちゃうとメロディライン自体が見えにくくなるし、弱くなっちゃう。僕はユニゾンの力強さが大好き。但しアカペラ曲の中でユニゾンやるとそこだけが強力になり過ぎて始末に負えなくなる、とも言えるんですが。

2声ハーモニーの良さ
自分が中学生くらいまでは、2声ハーモニーってのは3度の関係で和音やるのがいいと思ってた。でもハモり側のパートは動きの流れから、時々4度、5度にならざるを得なくなる。これが気持ち悪かった。この対処として和音数を増やせばいいのだ、と考える。すると違和感は減ったけど今度は音が厚くなってしまい、メロディの存在が消えていく。ジャズをやり始めた高校大学時代は厚い和音とかポリコードとか和音のカッコ良さにかぶれてた。当時はアレンジする事は少なくて、ひたすら和音がカッコいい曲を採譜してたような記憶。
しかし、ロシア民謡とか聞きだした同じく大学時代。2声のハーモニーの良さに改めて気づく。(なんだ、4度、5度になって収まりが悪くなるところはあっさりユニゾンにしちゃえばいいのか。と単純な事に気づいた。)

2声+裏方和音
Always(歌;Atlantic Star)ってベタベタのラブソングがあるんだけど、最初は男女それぞれ歌い、サビのAnd We Both Know〜のところから男女二人でハモってくる。よく聞くと実際にはもう一声聞こえてて、音を埋めるだけの存在感ギリギリの感じが美しくもいじらしい。「陰で泣かしたオンナでもいるんじゃないか」笑。(演出上はそこに歌ってるのは2人じゃないとサマにならないけど、3和音めがないとMajor7の甘い感じにならない) そう、2声+裏方和音追加、って方法もあるんだよね。ナマ声演奏だと声量コントロールが難しいけどね。

ユニゾン
ユニゾンの力強さを改めて思ったのはサンバ、特にパレードで歌うユニゾンの使い方。僕も浅草には10年ほどbateria(打楽器隊)で出場してました。バルバロス万歳。そのパレード(いわゆる女性が宝塚みたいな羽根つけて薄着で踊るアレです。)で歌われるエンヘード(曲)のCDを聞くとわかる。(リオのカーニバル出場チームの演奏曲CDが毎年発売されてます)。これを何人で歌おうと、ハモりを入れる事はせず、男も女も見事にユニってる。コレが凄い。日本の歌でいうとBOOM:宮沢和史氏の「風になりたい」での歌い方が近いか。(これがサンバパレードをイメージして作られたのは間違いないのだが)

昨今の、AKB48あたりの集団ソングって、ドヤドヤと騒がしいユニゾンしか歌ってないように見えるけど、やっぱりうっすらハモってるんだよね。あのサジ加減も憎い。集団性の表現はやはりユニゾン、しかし音楽的な補正作業もやっている。本番で誰がハモってるのか実際やってるのか知らないけどね。

2013年10月27日日曜日

アレンジ(編曲)

和田が1人でやってます
他のメンバーはアレンジしません。正しくは「できません」でしょうが、できたとしてもアレンジを複数人でやると揉めるし困るでしょう。え。既に「みんなが希望を出しても、僕がアレンジして来ない」とかで、既に揉めてる?

いえいえ。いま考えている最中だと思ってください。やっぱり「突然に上から降りてくる」(こんな歌にしたらいいんじゃない?と)ものがないと、書き進めないんです。

みんなで歌ってみて、上手くいかない場合、その場でどんどん楽譜を修正していけるのは、自前アレンジの圧倒的なメリットでしょう。実際に「どうも上手く歌えない」時は、これってアレンジが悪いのか・歌う側が根本的にヘタなのか・練習すれば何とかなるのか、などどれを選ぶか考えます。
一人で書けば、アレンジは良くも悪くも一貫している訳で、メンバーも「あぁ、いつもの節回しが出てきたな」と思ってるはずで、そんな方法も揉め事は起きにくいと思います。音楽性を無理に求めない、目新しさを無理に求めない僕らはネ。僕の性格はともかく、アレンジに関してはメンバーから信頼されているようなので、僕としても本当に有り難い事です。

メンバーからは「この曲やりたい。なぜならば・・」と提示されてくる
僕としたら、できたら「この曲指定」でなく「こんな感じの曲を希望」と言って貰ったほうがありがたいのですが・・・(だって出来あがった楽譜は、元のイメージと似ても似つかぬものになる可能性だってある訳で。)、実際に「この曲がいい」と言われたのに、僕は「それよりこっちの曲のほうが良いと考えたので、選曲を変えました」ってケースも数回あります。
元ウタ歌った本人の歌は出来るだけ沢山聞きます。できたら「その曲」が流行った当時のヒット曲も聞いて、「その曲」のポジショニングも探っておきます。まあこれは自分のストックを広げるためですね。

狙いは「原曲とは異なる、新たな価値を作り出せるか」
まぁなんておこがましい事言い出すんでしょう。でもこの姿勢を持たないと、「原曲の呪縛から逃げられない、所詮マネしてるだけ」の歌となる。
更に偉そうに言うなら、「元ウタ歌手みたいに歌うんだったら、わざわざ僕らが歌わずに、レコードかけてお客にはオリジナルの歌を聞いて貰えばいい」んです。

そして、既にこれは書いたかもしれないけど「モト歌へのリスペクトを忘れない」、「お客が一緒に歌えるよう」にしておく等は、自分の基本路線として守っているつもりです。
とはいえ。僕らこの5人で歌う訳だし、僕が目指しているのは「簡素化」ですから、何やってもたかが知れてる訳ですけどねぇ~。

日本の歌の場合の手順
元の歌を「メロディと歌詞だけの丸裸の、素の状態」にして、頭の中で何度も歌ってみる。
この歌が産まれた時の(歌手に渡す前、アレンジする前の)状態に戻してシミュレーションするって話ですね。そうして「この歌の本質はどのあたりにあるのか、どうアレンジし直せば新たな価値になるだろうか」をじっと考えます。偉そうですかね。出来上がったのは、いつものあのハモりだしね(苦笑)。


外国曲の場合の手順
外国曲は文化とか時代背景とかを自分の肌で解ってないから、既存の演奏を沢山聞いて解決の糸口を探し出す事が多い。
もともと外国曲の多くはスタンダード曲で、いろんな歌手が歌っている事が多い訳で、僕はそれを片っ端からYOUTUBEやitunesで聞いて、イメージ作りをしていく。また、YOUTUBEってのは「素人の『歌ってみた』」なんて映像も多く出回ってるのでとても参考になる。(歌い方の解釈とかその曲の人気具合とか)
この1曲のためにCDも何枚か買う事は良くあります。一方日本の曲の場合は、オリジナルの1曲だけ買うって事のほうが多い(元ウタを持ってなければ)。



一度寝かす
料理の下ごしらえみたいな話ですが、勢いで書くことも多いので、一日で書き上げたものでも、数日おいて見直す、というプロセスを持ちます。出来上がってても(それを出来上がったと言えるかどうかは不明)既に一年以上置きっ放しの曲もあります。作ったけど「メローに流れてしまって独りよがりかも」とか「この歌は似たような歌とバッティングするから今は要らないな」、とか理由はありますが。

カンケーないけど聞くところによるとAKB48にしても既に沢山の新曲ストックが出来ているらしいっすね。

2013年10月26日土曜日

matrixのバンド練習

バンド練習の基本
練習2時間(ライブ前で3時間。たまにもっと。)通常平日19時開始。そのあと酒で2.5時間(10年前は、練習2時間、飲む時間5時間とかが普通だった。年とったもんだ)
5人揃う事が大事、練習の後に飲んで話をする事が大事、美味い店である事が大事、自分の手持ちマイク持参(これが最後かよ)。

練習日程の決めかた
ライブ日程と練習日程、更には家族旅行日程を、年間計画として1月あたりに一気に決めます。キーパーソンの野口が、年がら年中仕事で忙しくて(通常、一年先まで予定が埋まっている)、その空きをぬって決める訳です。基本はオトナの約束だからその日に「全員集合しない」という事はまず起きない。ライブが決まったがこのままじゃ明らかに練習不足、という時は追加練習を入れて、その際はスケジュールが合わず「4人練習」という事は時々発生します。しかし4人での練習は緊張感があるというか、ハモってるハモってないが一瞬で解るというか、手を抜けないというか(抜くなよ)、だから練習になるというか。きっと普通のバンドはこんな練習をしてるんだろうね。


練習場所
だいたいいつも渋谷のリハーサルスタジオ。「仕事帰りで集まりやすい場所」。と言っても現在、1人は勤務先が相模原、1人はみなとみらいだから、渋谷が真ん中だとは限らないんだけどね。実際には「練習場所は、練習後の宴会をどうするか」のセットで決まる。

練習後のメシ
「練習場所近くでいい飲み(メシ)屋がある」のがとても大事。条件はメシが美味いとか、酒の種類をある程度置いている、メンバーで話ができる環境(決めゴトは基本、この場で行う)、店主との距離が近い(話をする関係になる)等。このメンバー、結構食いますし、結構飲みます。MATRIX練習は「練習後に美味いメシを食いコミュニケーションを図る」場であり、一連の一体モノなんです。そして、MCネタはこの会話の中から生れる訳です。
そして、その近辺の飲み屋に飽きてくると、別のスタジオを探すという事になる。飲まないで全員解散するって事はまずない。1人2人用事があるとか明日が早いとか風邪ひいたとかで飲みに行かない事もあるが、だいたいがそこで打合せ事も伴うので、5人揃って店に行く必要がある。メンバー雨宮は、練習時にはマイクと「フンドーキンの柚コショウ」を持ってきている。


★リハーサル(レンタル)スタジオの例
渋谷東急ハンズそばのスタジオNは、近くの小料理屋「秀」がとても魅力なのであるが、渋谷駅からスタジオまでの人混みにはいつもうんざりする。それでもこの店に行くためにこのスタジオを時々使っている。

渋谷宮益坂上のスタジオNは、同じビル内の中華屋と、近所の「ごちゃ家」が最近定番。東急ハンズ側に比べてスタジオが駅に多少近いし、(ハチ公側でなく)ヒカリエ側は人の数も少なめなのがとても良い。先日(2013年10月23日)の練習後の2軒目ではスナックを新規開拓。しばらく通う事でしょう。

以前は、渋谷の三浦ピアノ、斉藤ピアノというピアノ練習とかクラシック系練習のスタジオも使ったが、場の雰囲気としてイマイチ。いわゆるロック系練習場でないから「スタジオ」ってムードは希薄。宮崎料理「魚山亭」が至近で良かった。

「野口の会社(原宿)のセミナー室」で練習してた事もあった。社員からは「野口社長はMATRIXの練習のためにこのセミナー室を作ったに違いない」と今でも噂になっている。半分正しいんだけどね。しかしいつしか「若い人たちのバンドの熱気感」に触れているほうがこちらもテンションを保てるという理由で、一般のリハーサルスタジオでの練習が標準になった。
飲み会は、その向かいの「りん」。ここは野口の会社の社食化している他、個人でも時々行ってます。

渋谷桜丘のスタジオPは結構長い期間利用してました。他と比べると多少スタジオ代が安い(部屋も狭め)ので学生バンド利用者も多く、活気があって良かった。
でもなぜここを使わなくなったかと言うと、練習後よく行ってた、婆さん一人で仕切ってたスナック「オルゴール」が閉店してしまった事が大きい。
更に昨年は「AGAIN」という、洋楽カラオケ曲の膨大なストックで有名なマニアックなスナックが閉店してしまった。
(ちなみにカラオケに行くのはメシの後、2軒目。カラオケボックスは行かず、歌うとすればスナックを選びます。新宿2丁目のオカマスナックも結構行ったなぁ。いさりんが癌で亡くなってから行ってないな。)

また、5時間以上時間を掛けて練習したいとか言う場合、公民館みたいな安価な場所でやる場合もあります。


昨今、渋谷周辺で「スナック」が減少している。「古いビルの建替えで、店主も高齢となったのでそれに併せて閉店」という事なんだろうけどね。

2013年10月25日金曜日

ステージのMC

我らの誇るべきステージMC(しかしそんな事しか誇れないのか)は、練習後のコミュニケーション(宴会)で出た話題がモトになっています。何しろ歌の練習よりも時間を掛けて毎回欠かさずやっておりますので話題豊富、MCでの間合いの取り方も慣れたものです。しかしMCと言っても「普段のMATRIX内の会話」と何も変わらない。僕らの自覚として、ライブMCと言っても、酒の席で「居合わせてる人が多いだけ」の感覚で話しているようです(全くもってお客さんには失礼な話ですね)。

実際には、ライブ1週間前くらいになったらステージ進行役を誰にするかだけ決め、進行役は前日あたりに「この曲間でこの話題を振りますから、メンバー宜しく絡んでね。」でおしまい、あとは本番。もっとも、六本木STBライブの時は、我々として結構なフォーマルイベントと位置付けたので、MCのネタ出し・リハーサル・時間計測等も行いましたね。
だいたい本番では、ステージの全体時間を読みながら(最近はステージ脇に時計を堂々と置いておく)やっていますし、時間管理も結構正確ですので早めに終わる事はあっても延びる事はないです。出演者の多いイベント等で周りにご迷惑を掛ける事はなかったと記憶しています。それでも10年前くらいは、画用紙とマジックを持たせてタイムキーパーを人に依頼した事もありましたっけ。

あまりメンバー紹介をしない
紹介といっても、「MATRIXという総体」で覚えて貰えれば充分なので、我々を初めて見る(聞く)お客さんが結構いる場合はさらっと自己紹介しますけど、それ以外は、他のバンドさん(J)のパクリで、「それではメンバー紹介です。×××です。」(×××で、5人が一斉に喋る)ってのが最近お気に入りです。

話題
ウチワ受け話題にならないよう気を付けるのは当然ですが、いわゆるオッサンネタか、社会ネタや、出来事ネタという感じです。そんな会話を飲んでる時にしている、という事ですね。だからMCで音楽の話題がないって事は、飲みの席で「音楽の話をしてない」って事ですよね(笑)。
曲目紹介は一応しますが・・・日本の歌謡曲だったら歌の説明なんてあまり要らないですよね。人が知らない曲を歌うから、受け売り(?)的な曲解説になってしまうのではないかと思うし。もともと我々の選曲過程においては、メンバー合意のため(現実には、和田が編曲に取りかかる前向きスイッチを入れるため、というのが正しいのでしょうが)、「何故この歌がいいのか、これをMATRIXで歌う意味は何か」の議論をやってますので、そういった歌うまでの経緯話なら幾らでもできますよ。大体が「和田が身勝手だから、本人が気に入らないと楽譜を作らない」という、私の悪口がステージMCで出てきて締めくくられます。

喋り好きが多い
和田は喋りは上手くないが、仕事での熱いプレゼンは得意・雑談ネタ豊富・特にブラックジョーク大好き。野口はそもそもプレゼンが商売(ビジネス系話題が多い事もあり、あまりライブ司会はしないことにしている)、山本は旅行業営業で培った柔らかい話術・各地の特産品話題は商売柄強い。雨宮は高校教師なもんで生徒に向かって毎日喋っている、全校向けの訓示は毎週やってる他、校内で事件等起きると彼が対応する事になってるらしい。そんな事でMATRIXに喋らせたら歌も歌わずに延々とオヤジトークが続く訳です。(唯一、ゆずが主に聞き役となる)

2013年10月24日木曜日

歌は客席側にある?

「歌は誰のものか」
プロの歌とか聞いて、熱狂したり感動したりする事があるとしても、我々そんな事そうできるもんじゃない。(一応自覚している) そもそも、アマチュアの歌とプロの歌の違いってなんなんだろね。上手いかどうか、って受け側で何が違ってくるんだろうね。プロの歌は、もしかしたら「歌は歌い手側にある」のかも知れませんが、我々の歌は、お客さん側というか、聞き手の所にある(そうありたい)、と思うんですね。タイトルの「歌は今どこにあるか」という事への答としては、「聞く人の心の中」となる訳です。

「歌は聞き手の心の中で鳴っている」
有名歌手が、かつての自分のヒット曲を歌う際、フレーズをひねったり、歌詞のタイミングをずらして歌ってたりする事ってあるでしょ。でしょ。あれってヘンだよね。いやだよね。なんか鼻につくよね。「そのほうが円熟味がでる」とか勘違いしてるんだろうかね。大間違いだよね。
声が出ないからキー下げて誤魔化すとかだったら解るけど、変に節を変えて歌うってのは歌手のエゴだと思う。その歌を聞いた時、客の頭の中には「昔の記憶にあるあの歌が流れてる」んだから、それを解ってやって欲しいよね。名曲/ヒット曲ってのは、聞く人の心の中に染み込んだ以上、それは聞く人のモノになってる、って思うのさ。
だから僕らが名曲とかヒット曲を歌う場合も、「不用意にヒネらない」「聞き手が戸惑わない」ように心がけているつもりなんだね。そうすると自然とアレンジも簡素になるんだ。

「ステージと客席の間に歌の重心がある」
曲を選ぶ時、アレンジする時、「この歌は、客席と我々の間のどのあたりに位置するだろうか」って考えます、僕は。曲の全部が全部お客さんが知ってる訳ではないし、所詮はこっちが歌いたい歌を歌ってる訳で。それでも「お客の知らない歌」を歌った場合も、「客にどう届くか」は考えます。歌ってみたら「外れだった」という事も勿論あります。一方、「知らない歌だけど、やけに楽しい」っていう存在の曲は「アリ」みたいですね。過去の良い歌と共に、味しめて「突き抜けた」歌をいつも探してます。
 歌が上手いバンドじゃないから(苦笑。上手くなれ、ですよね)、鑑賞する音楽というよりも、歌ってるサマを見て貰って共感して貰えてる、という事だろうかね。どちらかと言えば、僕らのライブってのは現代の「歌声喫茶」みたいなもんなんでしょうね。



「オリジナルを歌わない」
変にオリジナルなんて作って歌っても「腰砕け」になるのは目に見えているし。お客にとってみたら僕らがオリジナルを歌う必然性なんてないのよ。
歌う側にはあるとしたら、「カバー曲はCDが売れても全然儲からないから、商売上オリジナルを歌う必要がある」からですかね。
メンバーで詞を集めた事はありますが、どうもうまくいかず断念しました。『自分の娘が結婚する際の、父親の思い』ってテーマでやったんですけど。




参考となる三波春夫の話
今から10年前の2003年、永六輔のNHK人間講座『人はなぜ歌うか』(ラジオのトークがそのままテキストになってます。もう入手不可でしょうが)の中で、三波春夫と一緒に老人ホーム慰問に行った時の話がとても興味深かった。
施設に行ってみたら、1人歌好きなお婆さんが居て、三波春夫が登場しても古い曲を延々と歌い続けている。そしたら三波春夫はお婆さんの隣に座って一緒に歌いだして(三波春夫を心待ちにしていた周りのみんなもこれに合わせて歌った)、自分の持ち歌は一切歌わずに終えたそうだ。
帰り際に三波春夫が永六輔に、「我々はいままで『歌手は自分の歌を歌いさえすれば客は喜ぶ』なんて思ってたのではないでしょうか。それは傲慢であって、そもそも歌は聞き手1人1人の中にあるものです。もっと我々歌手は謙虚にならなくてはいけません。」と言ったそうだ。凄いねぇ三波春夫。

参考となる宮沢和史(Boom)の話
これはテレビインタビューで本人が語ってたんだけど、「アルゼンチンを始め10カ国以上で『島歌』が流行って、色々な人がカバーしている」とか言ってました。歌は、作った本人のものから既に離れて、生きているんですね。誰が作ったか、誰が歌ってるかなんて事は、聞いて感動した人にとって、実はあんまり関係ないんですね。

ライブでの出し物「プレゼント大会」


【目的】
いつから始まったか良く覚えてないですが、もうかれこれ10年以上やっています。通常、MATRIXライブの真ん中(第2ステージ)でこれをやるわけですが、
来場者の会費からその分のお金を捻出するなんてビンボ臭い事はせずに、純粋の持出しで、プレゼントの適当なテーマ性を持たせて各メンバーそれぞれ3個くらい準備します。

何のためにやってるか、というと「顧客との距離感を縮めるため・コミュニケーションを図るため」です。最初っからそんなつもりがあったかどうか定かではないですが、これが相手(お客)もこっちも和むってのがやってみて良く解った。僕ら自身がこのあと歌いやすくなり、お客も我々の歌に寛容になる(ような気がする)んです。
ここで大事なのが、プレゼントを出す際に「これは何か」という口上トーク。そもそもプレゼント自体より、これはどんなものかと説明して、それをお客に愉しんで貰う事にこそ意味があるわけですから。


【トークの例】
「私からのプレゼントは、『今年』にちなんだモノを用意してきました。さて皆さん、今年は何が多かったですか?」「・・台風・・・?」「その通りっ!だからタイ風カレー。」 無敵のオヤジギャグ。
以前、和田のプレゼントで「災害対策用品シリーズ」として出したものがブルーシートとロープとガムテープ。既にして危険な香りが。
「台風で家の窓が割れた時にこれで応急処置をして下さいね。でも別の使い道もありますよ。このシートはとても厚めの素材でできていて大きさが2.2m角あり、ちょうど人間サイズも綺麗に収まります。解りますよね?これを車の中に普段入れといて、何かよんどころない事情ができてしまった緊急時にお使い下さい。でもコンクリートブロックは別途ご用意くださいね。あ、言い忘れましたがこのガムテープで先に口を塞いで下さいね。」という悪フザケすれすれのトークしました。え。すれすれどころかそのものですか。(他の人のプレゼントはちゃんとしてます。)
高額商品はそれだけでどよめきますが、しょーもないものはトークにどよめいて貰うんですね。


【出来事】
野口氏がお中元とかで貰ったものをプレゼントに出したら、それをくれた客が来てて「その本人に当たった」というトンデモナイ事態が起き、その時はご遠慮頂きました。確か5万円程度の商品券だったかホテルペア宿泊券だったか。この位の景品が時々でるので、MATRIXのライブは侮れないですよ。


【抽選方法】
大体15分くらいかけてやります。
抽選用具は、以前はトランプを使ってましたが、これだと50数人が限度なので、今はMATRIXトレーディングカードを用意して使ってます。
まず、来場時に1人に1枚、このカードを適当に選んで渡します。(表でも裏でも関係なし。選んで貰ってもOK。)
顔写真(全部違う)と番号が入ったカードを1人20枚作り、×5で、現在100人分の抽選ができるようにしてあります。使い捨てで、毎回カラープリンタで名刺用紙に印刷してます。
抽選時は、用意した同じカードを袋に入れ、ステージ上で僕らが引いて「同じカードを持ってる人が当たり」という、とても手際の良いもの。(「雨宮の5」、とか言って使います) 話には時間を掛けても、BINGOみたいに抽選行為そのものには時間を掛けません。
当たった人には手を挙げて貰って、すぐ渡します。


【バリエーション】
似たような主旨の出し物として、手品を2回ほどやった事があります。これにしても手品そのものよりも「トークがあってナンボ」であり、喋りの練習になる訳です。まぁそういうのは苦手なメンバーも居る訳ですけどね。で、それぞれ思い思い、用具/仕掛けを手品ショップで仕入れてきます。(池袋東武デパートに手品用品のお店があって、実演して教えてくれます。) 
ちなみにこれをやる時は「オリーブの首飾り」をアカペラで歌います。

他のバンドでも参加者にプレゼント(冬のライブではホカロンとか)されてる事もあるようですが、こういったものは1バンド単独ライブだからできることですよね。

2013年10月23日水曜日

マイクについて。

巷の「マイクの使い方がヘン」
アカペラに限らず、アマチュア(シロート)の歌い方で気になっている事が、「マイクを握ってないもう片方の手の行方、収まり場所」だ。
どうも意味があるように思えない「おなかに手を当てて」歌う(腹筋の張り具合を確認するためにやっている訳ではなかろう)、「不自然に片手をあげて歌う」のがどうもコドモっぽさというかシロートっぽさを感じてしまうのだね。

マイクが無かったり、マイクスタンドを使った場合は一体どうするつもりか、と聞いてみたい。意地悪すぎるかね。きっと手の置き場がないんだろね。でもそういえばJ-Pop女性の歌い方でもそんなの多かったかもね。あれが原因かもね。でもさ、あんなのをロールモデルにしちゃいかんと思うよね。あれを素人がやると自信無い感じが却って強調されてるように見える。もっと視野を広げて、歌唱映像みて研究したらいいんじゃないかね。
 そういや焼き鳥屋でMATRIXがナマ声ライブをした時、大根とか人参を握って歌った。

ステージでのマイクについて。

「マイクの先っちょに向かって歌う癖」
今のボーカルマイクってのは大体が握るために作られたハンドマイクだから、正面から歌わないと「気が済まない気分にさせる」格好をしている。「アフォーダンス」っやつだな。勿論それは使い方として正しいんだけど、実際には超単一指向性でなければ「昔風に、数人で1本のマイクを使う」事が可能である。歌う側として、マイクの向きを気にせずに歌えるというのは僕にとっては実は重要なんだ。
しかし実はこれはダイナミックマイクの話であって、今もコンデンサーマイクの多くが「マイクの先っちょ側からでなく、横方向から歌う」構造になっているんだ。以前、ヒトのライブを見てて、そのマイク構造を知らない演奏者が、ステージ上でマイクの先っちょ側を楽器に「向け直している」のを見て笑ってしまった。それくらい、マイクは「先っちょ側を口(楽器)に向けて使うもの」と思われている。

1968年前後のグループサウンズ時代を思い起こすと、現在の形状のハンドマイクは殆ど使われて無かった。多分、酷使に耐える国産品がまだ殆どなかったせいだろうが、ゼンハイザーとかAKGとかをジュリーもショーケンも使ってたね。それらはいわゆる「観光バスのバスガイドさんが使うスタイル(カールコードじゃないけど)の、マイクを下から持つタイプ」だったんだ。今の人達は、あの形のほうが「歌ってる人の顔が見える」って考えないのかなぁ。


「MATRIXで使ってる主なマイクの種類」
RODE M1:各人の個人持ちマイク。ライブでも使ってます。リハーサルスタジオの備え付けマイクは臭うし(それだけこっちも臭いと唾液を付けてるんだろうが)、キャノンコネクタのツメ穴が甘くなって外れやすくなってたりで、我慢ならなくなってきたから買ったもの。
SM-58にしなかった理由は、「人と同じものはできるだけ使いたくない」という私の身勝手。さりとて音響特性が違いすぎるものをライブハウスにお持込むとPAさんから嫌がられるので選んだ結果がコレ。
またOM-3とかのAUDIXにしなかった理由は、握り手部分の形状が特殊で握りにくいし、ライブハウスに持ち込んでスタンドに付けて使おうとすると、「専用マイクホルダーの持参が不可欠」なため。
あれれ、音響特性については何も書いてないですね。それを細かく言う程の歌唱スキルは持ってません私(苦笑)。

SHURE 55SH:ガイコツマイクと言われているシロモノで、正真正銘、スタンドむきの形状。使い勝手がとても気に入ってます。欠点は「手持ちすると重い」。僕はMATRIXを「スタンドマイクで歌うバンド」(=マイクなしの場合での歌い方を変えずに済む)としたかったので、これを選んだのですが、すぐスタンドから外して手持ちできる「アダプタ」も付けてます。http://www.tamadrum.co.jp/japan/products/microphone/acce/images/TQR38-use.jpg

その他、オーディオテクニカのマイク(×5本)、この会社のマイク開発技術者:A君から貰った、既にディスコン品。、あと宴会用に使うために買った、べリンガーのマイクセット(6本)とかもあります。


「ステージでは音響機器は鬱陶しい必要悪」
そもそも「ステージ上でマイクは鬱陶しい存在であり、ケーブルも鬱陶しい、マイクスタンドも鬱陶しい」、と考えています。

マイクは大人数への拡声上、やむをえないから使うものだと思う。マイクケーブルは、マイクの構造上「握るとケーブルの先が客側を向いてブラブラ垂れ下がる」のが鬱陶しい。何とかならんのか。(しかしワイヤレスを買うカネはない)

マイクやマイクケーブルの存在感を消せる「ヘッドウォーン/ヘッドセットマイク」も気になるけど、あれは歌っている際、「マイクとの距離を自分でコントロールできない」んだよね。裏方オペレータを常時引き連れているならこれも可能だろうけど。

マイクスタンドは、ブームスタンドはそもそも視覚的存在として鬱陶しいので、「立って歌う」事に特化すれば直立型スタンドがいい。ブームスタンドは、ステージ上の見てくれを想定して作られていない実用商品である。直立スタンドは脚サイズも小さいから、自分の足がぶつかりにくい。但し殆どのライブハウスでは直立型を置いてないので、55SHを持込む際は、自前のマイクスタンドも持込む事になる。

そんな事からも、僕らが歌う上で、キャノンコネクタ端子がマイク本体の真下にあるのでケーブル始末が良く、マイクピックアップがトンがった先っちょ側でなくヨコ面についてて、3人くらいで集まって歌っても違和感を感じにくい、それは「55SH」しかないでしょ、というのが私の持論。但し、あのマイクは口をぎりぎり付けて使うものみたいだから、必ずしも僕らの使い方がそのマイク特性を生かしてない、かとも思うけどね。

ライブの集金方法。



MATRIXの会費集金

自分たちのライブは、知ってる人は知ってる通り、だいたいパーティー形式で
「お店を借りる」といった形を取っている。理由は昨日書いたばかりだった。
その場合、受付係を自前で用意しないといけない、って事が多い。これ結構
面倒で、開演後も受付に座って貰わないといけないし、お金を預かるほうも
責任感じるだろうし。
  更に我々のライブは飲食付き。しかし開場から開演まで30分しかない。(勿論
演奏が始まっても食べてて良いんだけど) だから入場時で受付渋滞を起こさない
ようにしたいと思う。


現在のmatrixライブでは、受付時で会費を徴収しないようにしてます。
これ、とてもいいです。でもお店に聞くと、これは「珍しい」そうです、
というか明らかに戸惑ってます。
 料理は予定人数分準備するからいいけど、ドリンクは来場者実数で請求
したい訳なもんで、お店側で確認しずらい受付方法は困るみたいです。
   しらねぇよ。そんな事言うならお店で受付出しておくれよ。


■自分たちで受付を行う。開演直前まで行う。
 ・ここで会費は徴収しないから、受付渋滞が発生しない。
 ・来場者名を伺い名簿確認。すぐ別のメンバー(勧誘担当)がテーブル案内。
 ・そしてお客は座ったらすぐビュッフェに食事を取りに行ける。(時間の節約)
 ・開演間際~開演後の来場者については、申し訳ないが親しい人・近親者に
        お願いし、受付近くで見張ってて貰う。 
     ・あとから入ってきた人の名前を伺って、席に案内する。

■メンバーがテーブル案内する
 ・予めテーブル番号を決めて案内する。稀に席指定の事もある。
 ・そもそも予約制で計画満席。自由に座られると、おそらく全員収まらない。
 ・知らない同士が相席になっているテーブルには(1人で来られる場合、どう
       してもそういう座席はできてしまう)開演前にそのテーブルに行って、
        お互いを紹介しておく。

■開場時には、着替えを済ませておく
 ・来場者と、開演前できるだけ話をするようにする。
 ・僕らは出演衣装(というか服装)で会場を走り回る。

■会費は1ステージ後の休憩時間に回収する。
 ・ステージMCで集金の仕方を案内する。勿論釣りの出にくい会費設定にしておく(笑)。
  ・自分たち(or親しい人に依頼)が「カゴ」を持って回る。100均のザルが風情でる。
  ・結果的に足りない事は無かった筈。余分に出してくれる人も結構いる。
       ・計算係は誰かに依頼。(裏方やって頂いてる方々、いつもありがとう。)
  ・これは完全予約制の単独ライブで、信頼関係ができているからこそか。
   稀に知らない客が飛び込みで来る事もあるけどね。
  ・あるライブハウスからは「集金もエンターテイメントですね」と感心された。

■終演後は、できるだけ出口で見送る。
  ・結婚式お開き同様、話しこんじゃうと出口渋滞するので、気を付ける。
  ・メールでお礼をしておく。


(その他)
来場者名簿作成について
 来場者を完全に把握しておくのが良い。(連れてくる人が判っていればOKであるが、
 こちらが名前把握していない人が先に入店すると、ちょっと手間取る時がある)

座席表(グループテーブル)について
 事前に会場下見をして、写真を撮り、空間寸法・座席寸法を測定し、図面を作成、
 レイアウトと着席シミュレーションをしている。(お店からも「図面欲しい」と言われる)

定番の「プレゼント大会」についてはいずれ。

2013年10月22日火曜日

「ライブ場所」考

matrixも、膨大な数とは言わないまでも毎年数回ライブを計画し、お誘いも受け、色々な所で演奏したのですが、だいたい守らねばならない決めゴトは自然と決まってきたように思う訳です。

【場所の条件】
・客席スタンディングはしない。勝手に立ちたい人は止めないけど。

     (僕らの客は既に若くないからね。ライブハウス慣れしてない人も居るし)
・イスしかない場所ではやらない。テーブルは必要。(下記と関係するので)
・飲ませる/食わせる、が基本。僕らの歌は酒の肴で充分かとも思う。
・客席が楽しくザワザワしているのは嫌いではないというか、むしろ良い。
・実際にはそういう場所でやらないが、入場料が必要な場合は1000円が限度。

   結果、
  自然とロック系、クラブ系の場所には御縁は無い。
  結果的に、チケットノルマ/チャージバックの仕組みの場所ではやらない。

これは、自主企画ライブとしての基本路線ですので、お呼ばれ(参加の誘いを受けた等)の場合はこれに拘らない事になります。とは言え、複数バンドによるイベントで集客チケット等のノルマがある場合は、まず基本的にお断りしています。突然のメールでやってくるような、こちら側の考えが反映されにくい他者企画イベントは、僕ら自身が運営状況を掴めないため、不用意に知合いを呼べないためです。そもそも僕らは人のペースでやる事自体がダメなんでしょう。「じゃちゃんと状況を掴めれば参加するのか?」って話ですが、そんな事する位なら自分でライブを企画すれば良いわけですからネ。

【なぜ飲食込みか】
 matrixの企画ライブは殆どが、会費制パーティ形式です。こっちはJASRACにも何も払ってませんし、ライブチャージ収入がないって事で利益なし、全てお店への飲食代として支払ってます。(ライブ収入の話は又改めて。)
そして、飲食(飲み放題)付きで大体3000円~6000円。場所の関係でこれはどうしても決まってしまいます。

 殆どのライブハウスは、アマチュア向けの箱貸しビジネスをしています。これはどうも割高だと思います。何人以上集客で何パーセントチャージバック云々。これはmatrixからすると到底受け入れがたい方式です。そんなら満員にすればもっと他の交渉選択肢があるだろう、と思う訳です。そもそもそういうシステムのライブハウスの空間環境は我々にはまず向きません。
 一方、ライブハウスでも食事を内製してるお店の多くは、箱貸しチャージバック方式でなく、「何人で幾ら」保証する方式でOKだったりします。人数×飲食料金で金額保証をしたほうが割安感があります。

ライブハウス探しをすると、土日の昼で1500円(入場料としてお店が召し上げ)、+ドリンク500円というのがだいたい普通です。僕らは「それなら飲食付けて、お店には人数保証してパーティー形式にしたほうが割安だろう」、と考えた訳です。勿論、最低限の金額で入場したいと考える方もいるかも知れませんが・・。
東京周辺の駅近くのレストラン(PA機材は持込み)で、3000円で食事&飲み放題ができる所は探せばあります。何しろアカペラなんだから大袈裟なPA機材なくてもできる訳です。

あと、当然ながら来場者を事前に確定できる(する)事でこのシステムが可能になります。皆さん事情がある訳で、ドタキャンは皆無にはできないものですが、どこでやっても1-2名内に収まっていますね。

【面白かった場所と、その時の参加費】
10周年ライブでの立教大の学食(メンバーが卒業生ですから)で3000円。但し、飲み放題で無く、途中でメシと飲み物が足りなくなって、持出しで補充したような記憶。 PAは持込みでした。ご来場200人。

スイートベイジル六本木で200人、6000円。これでも実は持出してます。ライブ環境としては最高に良い所ですが、この規模になると、サービス提供側の人件費等が増えますので、今迄のスタイルのままではこの200人が限度かと思います。

アカペラグループの「ステージの立ち位置」考



【横並びで立って歌うって、何かヘンなんだ】
アカペラを歌っているステージを眺めると解るけど、結構多くのアマチュアグループは横並び一列で歌っている。こんな感じ。5つ目玉じゃなくてアタマを上から見てる図ね。一応確認。








 

 でも僕にとってはこれ違和感あるんだよね。特に、左右のアタマ間隔が「離れすぎている(1.5m間隔以上)」場合特にそう思う。両肩が隣とぶつかる位の間隔なら、さほど違和感ないんだけどね。
 このスタイルを「プロのグループがステージでそうやっている」からではないかと思う。
歌っている際の「サービス精神・デリバリーマインド」を明らかに携えて、それをお客に理解できる状況ならこの並びもアリなんだろうけど、プロのオーラ(歌唱力と伝達力からくるものと思われる)を備えぬまま、単に前向いて歌っているように見えてしまうんだよね。

しかしだ、この「違和感」は、歌い手のマインドの違いによるものだけではない、と思っている。
MATRIXのホームページにも書いた事なんだけど、その違和感とは、「今、誰がソロを取ってるんだか客から見て解りにくい」せいではないか。 歌い手側の言い分として「コーラス部分とソロ部分が1曲の中で渾然一体となって歌うからどうしてもそうなる。」という話は勿論解る。しかし客は「このソロは誰の声か、誰が歌ってるのか」を知りたいけど、この並び方だと判りにくくてストレスになっているのではないか、と思う訳だね。


【誰が歌っているのか解りにくいから客は戸惑う】
人ってのは、音がでている方向を向く(知覚する、反応する)もんなんです。
例えば、ラーメン屋のテレビのスピーカーがテレビ本体と離れて置いてあって、テレビの声が聞こえる方向を見たらそこにはスピーカーしかなくて「キョロキョロした」って経験あるでしょ。それそれ。「音が出る場所には何かある」、と自然に頭が働いて反応してる。

このラーメン屋の例えが的を得ているかはちと怪しいが、人は「そこにナマ歌があれば、メロディを誰が歌ってるか確認したくなる」んだ。それが、こういったアカペラの場合、音の出ている方向を見ても、「本物は誰でしょう」クイズの如く、5、6人ズラッと並んでるこの違和感。「私たちハモってます」とか「私がリードですよん」とか、歌うなら解りやすいパフォーマンスしてくれないかネ、って思う訳です。

経験的に言っても、楽器の音よりも人の声、解らない外国語よりも脳が反応する日本語、コーラスよりも旋律(ハモると音は厚くなるがその分メロディのパワーが薄れる)、男よりも女(これは視覚的に華かどうかという要因も大きいんだろうけど)、を識別して聞こうとする。音響心理でこのあたりの用語もあった筈だが忘れました。更に言うと、「同じ音なら音が大きい方向、音量同じなら一瞬でも先に音がでた方向を向く(定位を知覚する)」なんて法則(ナンとかの原理)もあります。 


【見て解りやすい並び方】
並びには、「客側からの視認性」と「歌う上での方法論」の2種類あると思うが、ここでは前者についてまとめると、
・凝集性(まとまり)を感じる並び方(歌い方) 



マイク有る無し関係なく、上図の感じでまとまるのが良いと思うんだ。「まとまってる感」って、見る方からしても大事だと思うんだよね。それにこれならお互いの顔も見えて歌いやすい。
その他としては、
・ノリを感じる並び方(歌い方)
・やってる側が楽しそうな並び方(歌い方)
・誰がどんなパート歌ってるかが一目で解る並び方(歌い方)
 (これはMATRIXの基本フォーメーション。ムードコーラススタイル。)
 3人並んでるのがコーラス隊、客席寄りがボーカル、その後ろ(右)がベース。
そう、MATRIXはムードコーラスの並び方なんです。ムードコーラスのボーカル+リーダー(?)+コーラスの、リーダーの所がベースに変わっただけですね。
え。たまには振付入れろ?もっと動け?MATRIXは基本不器用なもんでできないんですよ~。

脳は歌を聞こうとするが故に、「歌は聞いてて疲れる」という話はまた今度。