2013年10月30日水曜日

アポロ計画

MATRIXのアポロ計画
1996年結成のマトリクスですが、結成すぐに「やるからには目標を立てよう」という事になり、「翌年にNYアポロシアター出場」を目標に掲げたのです。なんとまぁ無謀な。うちのバンドにはコンサル屋さんが居るもんで、こんな話になっちゃったと言えますが、ご推察の通り、結成17年経った今も実現してない。名古屋のアポロシアターでは一度ライブやりましたけど(笑)。歌唱技術ハードルは、そんな行動計画作って何とかなるようなもんじゃなかったのよね。現実的には仕事が忙しくてそんな休みが取れないというのも正しいかも。

そしてNYに行く交通費を準備すべく、出演ギャラを貯めています。但しこの10年近くは収入/オヒネリを貰う形式のイベントをしていないのであんまり増えてませんが、取り敢えず5人分の成田~NYのエコノミー往復航空運賃程度が貯まってます。この僅かな収入に比べると、自分達が飲み食いした支払額のが圧倒的に多い筈だから、そっちを貯めたほうがいいんだろね。

Amateur Nightにしても、ハードル高いなぁ。(僕自身は「目標指向で生きてない」ので、実はどうでも・・・。スイッチが入るきっかけがまだないだけなんだろうけどね。http://www.apollotheater.org/auditions
個人的には、このバンドでヨーロッパを飲み食いしながら、テキトーに「広場で歌う」とかのほうがいいなぁ。

取り敢えずこの目標を達成させるとして考えたのは、映画ブルースブラザースのように、NY近所の居酒屋ライブホールを見つけて、「ここがアポロシアターだよ」とかメンバーに嘘ついてそこでライブやるって事も考えてはみたけどサ。(何しろ、僕以外、アポロシアターの場所を知らない)
「最近、アポロシアターの名前が変わったんだ」とか言えばナントカなるかなぁとか。イマドキ無理か。) 

2013年10月29日火曜日

歌にとってハーモニーは敵かもしれない


ハーモニーは旋律を弱くする。
ハモるって楽しいんだけど、お化粧みたいなもんだと思ってる。メロディに不用意に和音つけすぎちゃうとメロディライン自体が見えにくくなるし、弱くなっちゃう。僕はユニゾンの力強さが大好き。但しアカペラ曲の中でユニゾンやるとそこだけが強力になり過ぎて始末に負えなくなる、とも言えるんですが。

2声ハーモニーの良さ
自分が中学生くらいまでは、2声ハーモニーってのは3度の関係で和音やるのがいいと思ってた。でもハモり側のパートは動きの流れから、時々4度、5度にならざるを得なくなる。これが気持ち悪かった。この対処として和音数を増やせばいいのだ、と考える。すると違和感は減ったけど今度は音が厚くなってしまい、メロディの存在が消えていく。ジャズをやり始めた高校大学時代は厚い和音とかポリコードとか和音のカッコ良さにかぶれてた。当時はアレンジする事は少なくて、ひたすら和音がカッコいい曲を採譜してたような記憶。
しかし、ロシア民謡とか聞きだした同じく大学時代。2声のハーモニーの良さに改めて気づく。(なんだ、4度、5度になって収まりが悪くなるところはあっさりユニゾンにしちゃえばいいのか。と単純な事に気づいた。)

2声+裏方和音
Always(歌;Atlantic Star)ってベタベタのラブソングがあるんだけど、最初は男女それぞれ歌い、サビのAnd We Both Know〜のところから男女二人でハモってくる。よく聞くと実際にはもう一声聞こえてて、音を埋めるだけの存在感ギリギリの感じが美しくもいじらしい。「陰で泣かしたオンナでもいるんじゃないか」笑。(演出上はそこに歌ってるのは2人じゃないとサマにならないけど、3和音めがないとMajor7の甘い感じにならない) そう、2声+裏方和音追加、って方法もあるんだよね。ナマ声演奏だと声量コントロールが難しいけどね。

ユニゾン
ユニゾンの力強さを改めて思ったのはサンバ、特にパレードで歌うユニゾンの使い方。僕も浅草には10年ほどbateria(打楽器隊)で出場してました。バルバロス万歳。そのパレード(いわゆる女性が宝塚みたいな羽根つけて薄着で踊るアレです。)で歌われるエンヘード(曲)のCDを聞くとわかる。(リオのカーニバル出場チームの演奏曲CDが毎年発売されてます)。これを何人で歌おうと、ハモりを入れる事はせず、男も女も見事にユニってる。コレが凄い。日本の歌でいうとBOOM:宮沢和史氏の「風になりたい」での歌い方が近いか。(これがサンバパレードをイメージして作られたのは間違いないのだが)

昨今の、AKB48あたりの集団ソングって、ドヤドヤと騒がしいユニゾンしか歌ってないように見えるけど、やっぱりうっすらハモってるんだよね。あのサジ加減も憎い。集団性の表現はやはりユニゾン、しかし音楽的な補正作業もやっている。本番で誰がハモってるのか実際やってるのか知らないけどね。

2013年10月27日日曜日

アレンジ(編曲)

和田が1人でやってます
他のメンバーはアレンジしません。正しくは「できません」でしょうが、できたとしてもアレンジを複数人でやると揉めるし困るでしょう。え。既に「みんなが希望を出しても、僕がアレンジして来ない」とかで、既に揉めてる?

いえいえ。いま考えている最中だと思ってください。やっぱり「突然に上から降りてくる」(こんな歌にしたらいいんじゃない?と)ものがないと、書き進めないんです。

みんなで歌ってみて、上手くいかない場合、その場でどんどん楽譜を修正していけるのは、自前アレンジの圧倒的なメリットでしょう。実際に「どうも上手く歌えない」時は、これってアレンジが悪いのか・歌う側が根本的にヘタなのか・練習すれば何とかなるのか、などどれを選ぶか考えます。
一人で書けば、アレンジは良くも悪くも一貫している訳で、メンバーも「あぁ、いつもの節回しが出てきたな」と思ってるはずで、そんな方法も揉め事は起きにくいと思います。音楽性を無理に求めない、目新しさを無理に求めない僕らはネ。僕の性格はともかく、アレンジに関してはメンバーから信頼されているようなので、僕としても本当に有り難い事です。

メンバーからは「この曲やりたい。なぜならば・・」と提示されてくる
僕としたら、できたら「この曲指定」でなく「こんな感じの曲を希望」と言って貰ったほうがありがたいのですが・・・(だって出来あがった楽譜は、元のイメージと似ても似つかぬものになる可能性だってある訳で。)、実際に「この曲がいい」と言われたのに、僕は「それよりこっちの曲のほうが良いと考えたので、選曲を変えました」ってケースも数回あります。
元ウタ歌った本人の歌は出来るだけ沢山聞きます。できたら「その曲」が流行った当時のヒット曲も聞いて、「その曲」のポジショニングも探っておきます。まあこれは自分のストックを広げるためですね。

狙いは「原曲とは異なる、新たな価値を作り出せるか」
まぁなんておこがましい事言い出すんでしょう。でもこの姿勢を持たないと、「原曲の呪縛から逃げられない、所詮マネしてるだけ」の歌となる。
更に偉そうに言うなら、「元ウタ歌手みたいに歌うんだったら、わざわざ僕らが歌わずに、レコードかけてお客にはオリジナルの歌を聞いて貰えばいい」んです。

そして、既にこれは書いたかもしれないけど「モト歌へのリスペクトを忘れない」、「お客が一緒に歌えるよう」にしておく等は、自分の基本路線として守っているつもりです。
とはいえ。僕らこの5人で歌う訳だし、僕が目指しているのは「簡素化」ですから、何やってもたかが知れてる訳ですけどねぇ~。

日本の歌の場合の手順
元の歌を「メロディと歌詞だけの丸裸の、素の状態」にして、頭の中で何度も歌ってみる。
この歌が産まれた時の(歌手に渡す前、アレンジする前の)状態に戻してシミュレーションするって話ですね。そうして「この歌の本質はどのあたりにあるのか、どうアレンジし直せば新たな価値になるだろうか」をじっと考えます。偉そうですかね。出来上がったのは、いつものあのハモりだしね(苦笑)。


外国曲の場合の手順
外国曲は文化とか時代背景とかを自分の肌で解ってないから、既存の演奏を沢山聞いて解決の糸口を探し出す事が多い。
もともと外国曲の多くはスタンダード曲で、いろんな歌手が歌っている事が多い訳で、僕はそれを片っ端からYOUTUBEやitunesで聞いて、イメージ作りをしていく。また、YOUTUBEってのは「素人の『歌ってみた』」なんて映像も多く出回ってるのでとても参考になる。(歌い方の解釈とかその曲の人気具合とか)
この1曲のためにCDも何枚か買う事は良くあります。一方日本の曲の場合は、オリジナルの1曲だけ買うって事のほうが多い(元ウタを持ってなければ)。



一度寝かす
料理の下ごしらえみたいな話ですが、勢いで書くことも多いので、一日で書き上げたものでも、数日おいて見直す、というプロセスを持ちます。出来上がってても(それを出来上がったと言えるかどうかは不明)既に一年以上置きっ放しの曲もあります。作ったけど「メローに流れてしまって独りよがりかも」とか「この歌は似たような歌とバッティングするから今は要らないな」、とか理由はありますが。

カンケーないけど聞くところによるとAKB48にしても既に沢山の新曲ストックが出来ているらしいっすね。

2013年10月26日土曜日

matrixのバンド練習

バンド練習の基本
練習2時間(ライブ前で3時間。たまにもっと。)通常平日19時開始。そのあと酒で2.5時間(10年前は、練習2時間、飲む時間5時間とかが普通だった。年とったもんだ)
5人揃う事が大事、練習の後に飲んで話をする事が大事、美味い店である事が大事、自分の手持ちマイク持参(これが最後かよ)。

練習日程の決めかた
ライブ日程と練習日程、更には家族旅行日程を、年間計画として1月あたりに一気に決めます。キーパーソンの野口が、年がら年中仕事で忙しくて(通常、一年先まで予定が埋まっている)、その空きをぬって決める訳です。基本はオトナの約束だからその日に「全員集合しない」という事はまず起きない。ライブが決まったがこのままじゃ明らかに練習不足、という時は追加練習を入れて、その際はスケジュールが合わず「4人練習」という事は時々発生します。しかし4人での練習は緊張感があるというか、ハモってるハモってないが一瞬で解るというか、手を抜けないというか(抜くなよ)、だから練習になるというか。きっと普通のバンドはこんな練習をしてるんだろうね。


練習場所
だいたいいつも渋谷のリハーサルスタジオ。「仕事帰りで集まりやすい場所」。と言っても現在、1人は勤務先が相模原、1人はみなとみらいだから、渋谷が真ん中だとは限らないんだけどね。実際には「練習場所は、練習後の宴会をどうするか」のセットで決まる。

練習後のメシ
「練習場所近くでいい飲み(メシ)屋がある」のがとても大事。条件はメシが美味いとか、酒の種類をある程度置いている、メンバーで話ができる環境(決めゴトは基本、この場で行う)、店主との距離が近い(話をする関係になる)等。このメンバー、結構食いますし、結構飲みます。MATRIX練習は「練習後に美味いメシを食いコミュニケーションを図る」場であり、一連の一体モノなんです。そして、MCネタはこの会話の中から生れる訳です。
そして、その近辺の飲み屋に飽きてくると、別のスタジオを探すという事になる。飲まないで全員解散するって事はまずない。1人2人用事があるとか明日が早いとか風邪ひいたとかで飲みに行かない事もあるが、だいたいがそこで打合せ事も伴うので、5人揃って店に行く必要がある。メンバー雨宮は、練習時にはマイクと「フンドーキンの柚コショウ」を持ってきている。


★リハーサル(レンタル)スタジオの例
渋谷東急ハンズそばのスタジオNは、近くの小料理屋「秀」がとても魅力なのであるが、渋谷駅からスタジオまでの人混みにはいつもうんざりする。それでもこの店に行くためにこのスタジオを時々使っている。

渋谷宮益坂上のスタジオNは、同じビル内の中華屋と、近所の「ごちゃ家」が最近定番。東急ハンズ側に比べてスタジオが駅に多少近いし、(ハチ公側でなく)ヒカリエ側は人の数も少なめなのがとても良い。先日(2013年10月23日)の練習後の2軒目ではスナックを新規開拓。しばらく通う事でしょう。

以前は、渋谷の三浦ピアノ、斉藤ピアノというピアノ練習とかクラシック系練習のスタジオも使ったが、場の雰囲気としてイマイチ。いわゆるロック系練習場でないから「スタジオ」ってムードは希薄。宮崎料理「魚山亭」が至近で良かった。

「野口の会社(原宿)のセミナー室」で練習してた事もあった。社員からは「野口社長はMATRIXの練習のためにこのセミナー室を作ったに違いない」と今でも噂になっている。半分正しいんだけどね。しかしいつしか「若い人たちのバンドの熱気感」に触れているほうがこちらもテンションを保てるという理由で、一般のリハーサルスタジオでの練習が標準になった。
飲み会は、その向かいの「りん」。ここは野口の会社の社食化している他、個人でも時々行ってます。

渋谷桜丘のスタジオPは結構長い期間利用してました。他と比べると多少スタジオ代が安い(部屋も狭め)ので学生バンド利用者も多く、活気があって良かった。
でもなぜここを使わなくなったかと言うと、練習後よく行ってた、婆さん一人で仕切ってたスナック「オルゴール」が閉店してしまった事が大きい。
更に昨年は「AGAIN」という、洋楽カラオケ曲の膨大なストックで有名なマニアックなスナックが閉店してしまった。
(ちなみにカラオケに行くのはメシの後、2軒目。カラオケボックスは行かず、歌うとすればスナックを選びます。新宿2丁目のオカマスナックも結構行ったなぁ。いさりんが癌で亡くなってから行ってないな。)

また、5時間以上時間を掛けて練習したいとか言う場合、公民館みたいな安価な場所でやる場合もあります。


昨今、渋谷周辺で「スナック」が減少している。「古いビルの建替えで、店主も高齢となったのでそれに併せて閉店」という事なんだろうけどね。

2013年10月25日金曜日

ステージのMC

我らの誇るべきステージMC(しかしそんな事しか誇れないのか)は、練習後のコミュニケーション(宴会)で出た話題がモトになっています。何しろ歌の練習よりも時間を掛けて毎回欠かさずやっておりますので話題豊富、MCでの間合いの取り方も慣れたものです。しかしMCと言っても「普段のMATRIX内の会話」と何も変わらない。僕らの自覚として、ライブMCと言っても、酒の席で「居合わせてる人が多いだけ」の感覚で話しているようです(全くもってお客さんには失礼な話ですね)。

実際には、ライブ1週間前くらいになったらステージ進行役を誰にするかだけ決め、進行役は前日あたりに「この曲間でこの話題を振りますから、メンバー宜しく絡んでね。」でおしまい、あとは本番。もっとも、六本木STBライブの時は、我々として結構なフォーマルイベントと位置付けたので、MCのネタ出し・リハーサル・時間計測等も行いましたね。
だいたい本番では、ステージの全体時間を読みながら(最近はステージ脇に時計を堂々と置いておく)やっていますし、時間管理も結構正確ですので早めに終わる事はあっても延びる事はないです。出演者の多いイベント等で周りにご迷惑を掛ける事はなかったと記憶しています。それでも10年前くらいは、画用紙とマジックを持たせてタイムキーパーを人に依頼した事もありましたっけ。

あまりメンバー紹介をしない
紹介といっても、「MATRIXという総体」で覚えて貰えれば充分なので、我々を初めて見る(聞く)お客さんが結構いる場合はさらっと自己紹介しますけど、それ以外は、他のバンドさん(J)のパクリで、「それではメンバー紹介です。×××です。」(×××で、5人が一斉に喋る)ってのが最近お気に入りです。

話題
ウチワ受け話題にならないよう気を付けるのは当然ですが、いわゆるオッサンネタか、社会ネタや、出来事ネタという感じです。そんな会話を飲んでる時にしている、という事ですね。だからMCで音楽の話題がないって事は、飲みの席で「音楽の話をしてない」って事ですよね(笑)。
曲目紹介は一応しますが・・・日本の歌謡曲だったら歌の説明なんてあまり要らないですよね。人が知らない曲を歌うから、受け売り(?)的な曲解説になってしまうのではないかと思うし。もともと我々の選曲過程においては、メンバー合意のため(現実には、和田が編曲に取りかかる前向きスイッチを入れるため、というのが正しいのでしょうが)、「何故この歌がいいのか、これをMATRIXで歌う意味は何か」の議論をやってますので、そういった歌うまでの経緯話なら幾らでもできますよ。大体が「和田が身勝手だから、本人が気に入らないと楽譜を作らない」という、私の悪口がステージMCで出てきて締めくくられます。

喋り好きが多い
和田は喋りは上手くないが、仕事での熱いプレゼンは得意・雑談ネタ豊富・特にブラックジョーク大好き。野口はそもそもプレゼンが商売(ビジネス系話題が多い事もあり、あまりライブ司会はしないことにしている)、山本は旅行業営業で培った柔らかい話術・各地の特産品話題は商売柄強い。雨宮は高校教師なもんで生徒に向かって毎日喋っている、全校向けの訓示は毎週やってる他、校内で事件等起きると彼が対応する事になってるらしい。そんな事でMATRIXに喋らせたら歌も歌わずに延々とオヤジトークが続く訳です。(唯一、ゆずが主に聞き役となる)

2013年10月24日木曜日

歌は客席側にある?

「歌は誰のものか」
プロの歌とか聞いて、熱狂したり感動したりする事があるとしても、我々そんな事そうできるもんじゃない。(一応自覚している) そもそも、アマチュアの歌とプロの歌の違いってなんなんだろね。上手いかどうか、って受け側で何が違ってくるんだろうね。プロの歌は、もしかしたら「歌は歌い手側にある」のかも知れませんが、我々の歌は、お客さん側というか、聞き手の所にある(そうありたい)、と思うんですね。タイトルの「歌は今どこにあるか」という事への答としては、「聞く人の心の中」となる訳です。

「歌は聞き手の心の中で鳴っている」
有名歌手が、かつての自分のヒット曲を歌う際、フレーズをひねったり、歌詞のタイミングをずらして歌ってたりする事ってあるでしょ。でしょ。あれってヘンだよね。いやだよね。なんか鼻につくよね。「そのほうが円熟味がでる」とか勘違いしてるんだろうかね。大間違いだよね。
声が出ないからキー下げて誤魔化すとかだったら解るけど、変に節を変えて歌うってのは歌手のエゴだと思う。その歌を聞いた時、客の頭の中には「昔の記憶にあるあの歌が流れてる」んだから、それを解ってやって欲しいよね。名曲/ヒット曲ってのは、聞く人の心の中に染み込んだ以上、それは聞く人のモノになってる、って思うのさ。
だから僕らが名曲とかヒット曲を歌う場合も、「不用意にヒネらない」「聞き手が戸惑わない」ように心がけているつもりなんだね。そうすると自然とアレンジも簡素になるんだ。

「ステージと客席の間に歌の重心がある」
曲を選ぶ時、アレンジする時、「この歌は、客席と我々の間のどのあたりに位置するだろうか」って考えます、僕は。曲の全部が全部お客さんが知ってる訳ではないし、所詮はこっちが歌いたい歌を歌ってる訳で。それでも「お客の知らない歌」を歌った場合も、「客にどう届くか」は考えます。歌ってみたら「外れだった」という事も勿論あります。一方、「知らない歌だけど、やけに楽しい」っていう存在の曲は「アリ」みたいですね。過去の良い歌と共に、味しめて「突き抜けた」歌をいつも探してます。
 歌が上手いバンドじゃないから(苦笑。上手くなれ、ですよね)、鑑賞する音楽というよりも、歌ってるサマを見て貰って共感して貰えてる、という事だろうかね。どちらかと言えば、僕らのライブってのは現代の「歌声喫茶」みたいなもんなんでしょうね。



「オリジナルを歌わない」
変にオリジナルなんて作って歌っても「腰砕け」になるのは目に見えているし。お客にとってみたら僕らがオリジナルを歌う必然性なんてないのよ。
歌う側にはあるとしたら、「カバー曲はCDが売れても全然儲からないから、商売上オリジナルを歌う必要がある」からですかね。
メンバーで詞を集めた事はありますが、どうもうまくいかず断念しました。『自分の娘が結婚する際の、父親の思い』ってテーマでやったんですけど。




参考となる三波春夫の話
今から10年前の2003年、永六輔のNHK人間講座『人はなぜ歌うか』(ラジオのトークがそのままテキストになってます。もう入手不可でしょうが)の中で、三波春夫と一緒に老人ホーム慰問に行った時の話がとても興味深かった。
施設に行ってみたら、1人歌好きなお婆さんが居て、三波春夫が登場しても古い曲を延々と歌い続けている。そしたら三波春夫はお婆さんの隣に座って一緒に歌いだして(三波春夫を心待ちにしていた周りのみんなもこれに合わせて歌った)、自分の持ち歌は一切歌わずに終えたそうだ。
帰り際に三波春夫が永六輔に、「我々はいままで『歌手は自分の歌を歌いさえすれば客は喜ぶ』なんて思ってたのではないでしょうか。それは傲慢であって、そもそも歌は聞き手1人1人の中にあるものです。もっと我々歌手は謙虚にならなくてはいけません。」と言ったそうだ。凄いねぇ三波春夫。

参考となる宮沢和史(Boom)の話
これはテレビインタビューで本人が語ってたんだけど、「アルゼンチンを始め10カ国以上で『島歌』が流行って、色々な人がカバーしている」とか言ってました。歌は、作った本人のものから既に離れて、生きているんですね。誰が作ったか、誰が歌ってるかなんて事は、聞いて感動した人にとって、実はあんまり関係ないんですね。

ライブでの出し物「プレゼント大会」


【目的】
いつから始まったか良く覚えてないですが、もうかれこれ10年以上やっています。通常、MATRIXライブの真ん中(第2ステージ)でこれをやるわけですが、
来場者の会費からその分のお金を捻出するなんてビンボ臭い事はせずに、純粋の持出しで、プレゼントの適当なテーマ性を持たせて各メンバーそれぞれ3個くらい準備します。

何のためにやってるか、というと「顧客との距離感を縮めるため・コミュニケーションを図るため」です。最初っからそんなつもりがあったかどうか定かではないですが、これが相手(お客)もこっちも和むってのがやってみて良く解った。僕ら自身がこのあと歌いやすくなり、お客も我々の歌に寛容になる(ような気がする)んです。
ここで大事なのが、プレゼントを出す際に「これは何か」という口上トーク。そもそもプレゼント自体より、これはどんなものかと説明して、それをお客に愉しんで貰う事にこそ意味があるわけですから。


【トークの例】
「私からのプレゼントは、『今年』にちなんだモノを用意してきました。さて皆さん、今年は何が多かったですか?」「・・台風・・・?」「その通りっ!だからタイ風カレー。」 無敵のオヤジギャグ。
以前、和田のプレゼントで「災害対策用品シリーズ」として出したものがブルーシートとロープとガムテープ。既にして危険な香りが。
「台風で家の窓が割れた時にこれで応急処置をして下さいね。でも別の使い道もありますよ。このシートはとても厚めの素材でできていて大きさが2.2m角あり、ちょうど人間サイズも綺麗に収まります。解りますよね?これを車の中に普段入れといて、何かよんどころない事情ができてしまった緊急時にお使い下さい。でもコンクリートブロックは別途ご用意くださいね。あ、言い忘れましたがこのガムテープで先に口を塞いで下さいね。」という悪フザケすれすれのトークしました。え。すれすれどころかそのものですか。(他の人のプレゼントはちゃんとしてます。)
高額商品はそれだけでどよめきますが、しょーもないものはトークにどよめいて貰うんですね。


【出来事】
野口氏がお中元とかで貰ったものをプレゼントに出したら、それをくれた客が来てて「その本人に当たった」というトンデモナイ事態が起き、その時はご遠慮頂きました。確か5万円程度の商品券だったかホテルペア宿泊券だったか。この位の景品が時々でるので、MATRIXのライブは侮れないですよ。


【抽選方法】
大体15分くらいかけてやります。
抽選用具は、以前はトランプを使ってましたが、これだと50数人が限度なので、今はMATRIXトレーディングカードを用意して使ってます。
まず、来場時に1人に1枚、このカードを適当に選んで渡します。(表でも裏でも関係なし。選んで貰ってもOK。)
顔写真(全部違う)と番号が入ったカードを1人20枚作り、×5で、現在100人分の抽選ができるようにしてあります。使い捨てで、毎回カラープリンタで名刺用紙に印刷してます。
抽選時は、用意した同じカードを袋に入れ、ステージ上で僕らが引いて「同じカードを持ってる人が当たり」という、とても手際の良いもの。(「雨宮の5」、とか言って使います) 話には時間を掛けても、BINGOみたいに抽選行為そのものには時間を掛けません。
当たった人には手を挙げて貰って、すぐ渡します。


【バリエーション】
似たような主旨の出し物として、手品を2回ほどやった事があります。これにしても手品そのものよりも「トークがあってナンボ」であり、喋りの練習になる訳です。まぁそういうのは苦手なメンバーも居る訳ですけどね。で、それぞれ思い思い、用具/仕掛けを手品ショップで仕入れてきます。(池袋東武デパートに手品用品のお店があって、実演して教えてくれます。) 
ちなみにこれをやる時は「オリーブの首飾り」をアカペラで歌います。

他のバンドでも参加者にプレゼント(冬のライブではホカロンとか)されてる事もあるようですが、こういったものは1バンド単独ライブだからできることですよね。